研究内容Reserch

古武弥一郎教授からのメッセージ

CEO

 2018年4月より太田茂教授の後任として、本研究室を私古武(こたけ)が担当させていただくことになりました。我々の研究室は薬学部に所属する衛生薬学分野の研究室であり、環境中に存在する化学物質の毒性メカニズムや、毒性評価法の探索、パーキンソン病発症に関与する環境因子の低濃度作用、医薬品を含めた化学物質の毒性修飾因子としての薬物代謝などに興味を持って研究を行っています。この世の中には知られているものだけで1億数千万種類の化学物質が存在し、我々の身の回りに限っても数十万種類あるといわれています。ところがこれらの大部分は毒性が未解明で、その中には疾患の原因になっている物質群もあることが予想されます。





具体的な研究テーマは以下の5つです。
1.環境中に存在する化学物質の神経毒性メカニズム解明と評価指標の探索
2.脳における不飽和脂肪酸代謝物の生理活性解明

3.匂い物質感受性の変化や個人差の解明
4.パーキンソン病発症に関与する神経毒性物質の細胞生化学的研究
5.医薬品を含めた化学物質の代謝、毒性とそのヒト予測

これらの研究を通じて科学的思考力のある薬学研究者、ファーマシストサイエンティストを養成し、研究はもちろん様々な分野で活躍できる次世代の人材育成に貢献したいと考えております。大学院生として研究に参加したいと考えている人はお問い合わせください。


研究キーワード

環境化学物質、トリブチルスズ、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エポキシド加水分解酵素、匂い物質感受性、パーキンソン病、MPTP (MPP+)、オートファジー、リソソーム、医薬品、GluR2、神経毒性、毒性評価、構造活性相関、ヒト肝細胞キメラマウス、体内動態、代謝、アルデヒド酸化酵素、チトクロームP450

研究テーマ

環境中に存在する化学物質の神経毒性メカニズム解明と評価指標の探索

 トリブチルスズなどの環境化学物質が脳内のAMPA型グルタミン酸受容体の機能低下を介した神経毒性に着目してその詳細なメカニズム解明や、化学物質の毒性評価系の構築に関する研究をしています。

脳における不飽和脂肪酸代謝物の生理活性解明

 ”食べると頭が良くなる”サプリメントとして知られるアラキドン酸やドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取効果について、その代謝物の生理活性に着目して作用機序の解明を目指しています。

匂い物質感受性の変化や個人差の解明

 近年、香害として知られる身近な匂い物質によって引き起こされる不快感について、その感受性の個人差や、体調による変化について解明するため、脳内の薬物代謝酵素に着目して研究を行っています。(2021年度 創発的研究支援事業)

パーキンソン病発症に関与する神経毒性物質の細胞生化学的研究

 パーキンソン病関連神経毒(MPP+、ロテノンなど)の毒性メカニズムを主にオルガネラ(リソソーム、ミトコンドリアなど)の機能に着目して研究しています。

医薬品を含めた化学物質の代謝、毒性とそのヒト予測

 ヒト肝細胞キメラマウスや3次元培養系を用いて、医薬品等の体内動態や毒性発現予測や、代謝物生成による毒性の寄与に関する研究を行っています。また、薬物代謝酵素として知られるシトクロームP450やアルデヒド酸化酵素の発現制御やその機能に影響を与える物質の探索を行っています。

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